ホーム » 続自動車購入販売の法律講座 » 自動車購入販売の法律講座7
債権法改正 錯誤について3
今回の改正において大きく文言を変えたのが錯誤の文言です 今までの錯誤は重要な法律にかんする錯誤はそもそも法律として有効ではあってはいけない ただし錯誤側にも責任がある場合無効を主張できないという意味でした ではその法律が有効かどうかは法律が結論を出していません しかし無効を主張するものがなければその契約は有効にさようします そこで学者や実務の間では これでは取り消しとかわらないじゃないかと言われて来ました また公序良俗や完全な法規違反ではない こえれらのケースでは一たん成立した契約を後から無効にするのは不経済であると主張されてきました とくに現法が無効を主張する人間を一定の人間にしぼっていたのは 法が本来特定の人間を保護する目的を持っていたのであり 錯誤のある法律行為を法が存在を否定したとは思われない それならば権利無能力者の同じように錯誤者には取り消し権を与えればいいだろう それが今回の法の改正の主な理由と言われています
債権法改正 錯誤について4
今回の改正で錯誤は無効ではなく 取り消しとなりました 実務的には変更ないんだというのが評価ですが じつはたとえ相対的無効でも取り消しと無効ではことなります 例えば無効は主張せずとも無効です 現法律において無効を主張できる人間は制限がありますが 無効をいつまで主張できるか その制限はありません しかし取り消しとなれば除斥期間も考慮されます それだけではありません 取り消しは取り消すことによりさかのぼって無効になりますが 無能力者の取り消しを除いては第3者に対する効力の問題がおこります つまりすっきりゼロにはなりません また取り消しできても 有効だった時の利益の配分 責任の配分が無効ほどはっきりしてません つまり取り消しの方が問題は複雑になります ではなぜ無効から取り消しになるのか 客観主義にこだわる理由は次に説明しましょう
債権法改正 錯誤について5
前回説明したように 今回の改正において錯誤者は取り消し権者となります この理由についてはいろいろ言われていますが取引の安定が一番の理由でしょう ここにABCという3人と当事者を考えてみましょう ここにAの持つ土地甲があります この土地をAからBに売りBはCに売るとすると 現在の所有者はCですが Aの売買が錯誤により無効だと もしCが登記をしてもAに対抗できません 無効にもとずいた登記は無効です この無効の主張は除斥期間がないので 例えば 時間がたって Cが家を建てても 引きわたさなければならない場合があります そのようなことは取引の安定をそこないます これが大きな理由です それともうひとつ詐欺が取り消しなのに 間違えた人間が無効では均衡が取れないという主張もありました しかし詐欺は本人にも責任があるという主張もあり 今回はこの主張に譲歩した変更ともいわれます もちろん詐欺取引を無効とすることも出来たのでしょうが
債権法改正錯誤について6
今回は錯誤についてより細かい点を見ていきましょう 今回の錯誤についての目玉は無効が取り消しになったことです しかし錯誤者が取り消し者に下がってもどんな時でも取り消すなら待遇改善ですがそうはいきません 前の縛りの当然残ります 現民法では錯誤者の重大な過失は錯誤の無効を禁じてました 新法ではこの無効を取り消しに読み替えます つまり錯誤者の一定の錯誤でも取り消しできない錯誤があります この部分は前と同じです 錯誤者に重大な過失があれば錯誤は取り消しは認められません しかし重大な錯誤があっても一定の場合は取り消しを認めます 鞭で叩いたあと飴をくれたのです その飴とは第3項です もし錯誤者に重大な過失があっても 相手が間違えていることを知っていたり 知る事が出来た場合錯誤者の取り消し権は消えません また同じ勘違いをしている相手にも取り消しができます つまり相手も勘違いをしてるため チャラにした法がお互いのためだというわけです さて次回は取り消しという問題つきものの第3者との関係を説明します
債権法改正 錯誤について7
今回は錯誤についてのもっとも注目に値する 第3者保護規定について説明します 今回錯誤は主観と客観のおいての対立を客観に寄った改正であると指摘されますが その最たるものが第4項の新設でした 確かに95条を超えた条文が4つも増えますが その他の内容は95条の解釈を具体化したものです しかし4項は今まで当事者の問題として無視されてきた第3者との関係を明確に明文化しました 逆に言うと第3者の利益を守るため 無効が取り消しになったとも言えます 錯誤を無効にしてしまうと第3者との関係は生じません さて今回の改正で第3者は詐欺の第3者のように保護されます しかしこれでは錯誤者に非情のような気がします それに第3者は原則善意推定が働くため ちょっと不注意からとんでもない責任を錯誤者がおうため取引においては専門家のアドバイスがなければこわくて出来ません 法務部をもっていない企業などは日常の取引も消極的になる可能性があります また日常トラブルでも知識をもった人間が有利になります さてその4項ですが 第一項の規定による意志表示の取り消しは善意でかつ過失のない第3者には対抗できないとなります これは改正法の詐欺の取り消しと同じ条件となります 現法より取り消し権者に有利な改正です
債権法改正錯誤8
今回は改正による実務の影響についてはなします 民法での最近の考え方は主観主義より表示主義にかたよってきているというのはたびたびお話しました しかし表示主義に信頼をおくためにはその対抗要件が実態にあったものでなければなりません そのためにはその対抗を備えるための条件が厳密に審査されなければなりません そのためには対抗要件の成立を審査する役所 特に登記官 登録官 まあ登録官はないでしょうが とにかく実態に踏み込んだ審査権限をあたえなければなりません ところが登記官等にはそのような権限がありません 現在の最高裁の考え方は登記官等の審査権は実質的審査権ではなく 形式的審査権とされています 簡単に言えば書類が整えば受理されるという事なのです つまり錯誤がある契約も対抗力を備えることができます しかし現法では 錯誤は無効を主張できたため間違った対抗力は否定できました しかし法改正により簡単に否定することは困難になるのです 錯誤したほうに取り消し権があってもそれを行使するのは大変実務上困難です もちろん無効の場合も難しいですが無効には絶対的効力があるため時間をかけて裁判で主張する事もできます しかし取り消しの場合そうはいきません まして善意無過失の保護規定のある今回の改正では錯誤した方は絶対的ふりです そしてこの改正において自動車登録制度はきわめて問題をおこす要因がるのです それは次回に説明しましょう
債権法改正錯誤9
前回お話したように今回の改正により対抗力が原契約より有利になる状況となります このような表示主義をとる場合対抗力を生じさせるための役所の権限が厳密で正確でなければならない しかし現官庁の審査権は形式的審査権だけであり必要書類さえ整っていれば矛盾を官庁が感知しても質問する権限もないのです しかし登記であればその対抗力で一番大事な登記原因を証する書面が通常契約書であるため 審査は厳密です しかし自動車については売買のような特定承継の場合譲渡証明書のため 契約内容がまったく役所に検討されないのです それだけでなく 訴訟になった時 対抗力の原因が譲渡証明書のため 契約書とのつながりはフレームナンバーと当事者だけになり 契約の訴訟で勝っても それにより対抗力を覆すには証明する必要が生じるのです 相手が自白か 事実を認めなければ その証明責任の問題が起こります もちろん裁判所ではあらそいがなければ問題は起きませんが それに相当する契約書があっても契約は口頭で別の契約を行ったと相手が主張した場合 裁判所はそれを検討する義務があるため判決が遅れます それで時間稼ぎをされている間に善意無過失の第3者に物権が移れば負けです このような問題をふせぐため裁判所は詐欺の被害者に取り消しではなく錯誤無効を主張を許していました しかし錯誤が取り消しになるとこの技法が使えません 詐欺流通が増えることは間違いないでしょう 特に上で述べたように審査が不完全な自動車登録においてはこの傾向は顕著になると考えます そして裁判所が被害者を救済する方法も制度的にたたれました
債権法改正 詐欺
本日より詐欺について解説します 今回の改正でもほとんど変わりがすくない条文です しかし実務においては詐欺の重要要素である錯誤の条文の画期的変化があるためその影響を大きく受けます 今回の改正においては詐欺を受けた側が少し有利になりますが次に説明する理由から実務上ほとんど変化はないでしょう まずその変化について説明します 現民法96条で2項で詐欺された側の取り消しを認め その上での対抗関係を記載しております これによると取り消しが対抗できない第3者とは善意のみになります 善意と言うのは主観の問題で 厄介なのは第3者は善意推定をされてしまう点です 推定と言うのは一応法律がそう考えるということです これは絶対に法律上がそれと認めるみなすとは違うのですが これを覆すには反証する必要があります つまり反証が成功しないと第3者の善意推定のため詐欺を受けた側が不利になります そこで悪質な詐欺については錯誤無効を裁判所は認めました 無効にしてしまえば第3者の対抗問題が生じないからです しかし今回改正によりこの方法が使えなくなりました そこでいいわけ程度に詐欺の第3者用件を厳しくしました 今回より第3者は善意の他無過失である必要があります 善意は主観ですが過失は客観できるため証明はしやすいですが その点詐欺された側が有利になりました しかし詐欺流通というのは善意無過失の第三者に流通させてしまうため 善意推定が働くと現状はかわりません 詐欺と共犯者的第3者しか排除できないのです これに関連した次の条文は次回に解説します
新年ご挨拶
あけましておめでとうございます 昨年は訪問頂きありがとうございます 本年は使いやすい調べやすいサイトをめざしサイトマップなども検討して行く所存ですので昨年同様よろしくおねがいします では本日はご挨拶で失礼させて頂きます
債権法改正 詐欺2
年をはさみましたが続きをはじめます さて改正条文96条3項です 現96条においては詐欺による取り消し これは第三者の詐欺も含むのですが 善意の第三者には対抗できないと結んでいました しかし善意の中には善意有過失 第三者にも責任が問える場合や 善意重過失 つまりほとんど悪意と変わらないというのもあります 過失をした第三者は知らなかったといいはりますからこれは主観の問題となり 悪意だけが対抗できないなら対抗出来ない第三者はいなくなります つまり第三者であれば勝ちになるわけです そこでそれでは当時者に酷ということで新法からは対抗できる第三者を善意で無過失と条件を厳しくしたわけです これは第三者には善意推定をするという現代の民法の流れの中で第3者の立場を制限するものです なぜなら無過失推定はなされないため 無過失は立証しなければならないからです
債券法改正詐欺3
今回は錯誤詐欺全般においての自動車制度の問題点についてはなしておきましょう 自動車登録制度は極めて特殊な対抗制度です 契約書そのもの原因証書にしないため細かい契約が全く登録の審査に影響がないといういい加減な審査も問題ですが もっと問題なのは不動産ですと契約の取り消しにより発生する登記手続き 権利の抹消登記に相当する抹消登録が存在しません 自動車の抹消登録は権利抹消ではなく物理抹消です そこで取引が取り消しされた場合元の持ち主に名義を変更するには今の名義者から譲渡証明書を入手して名義変更するしかありません つまり所有権移転手続きをとるわけです これがそもそも間違いです なぜなら取り消しは遡って契約を無効にするため今の名義が否定される必要があるからです この法理論の問題は次の問題に発展します 取り消し権者が取り消し権を行使すると相手が応じてくれないと裁判になります 不動産の場合登記手続きを請求権とする訴訟ができ判決が確定すると相手側抜きで登記ができます しかし自動車の場合譲渡証明書にかわる判決を確定しなければなりません しかしこれは意思を擬制する裁判のためハードルが高い傾向があるのです しかしそれだけではありません もっとこまった問題がしょうじる傾向があります
債券法改正詐欺4
この問題の根底には陸運支局の法スキルが低すぎるという問題があります ある人が裁判に勝ち陸運支局に出向きました 通常の名義変更の場合当事者がが共同で名義変更が行われます しかし裁判で勝利した場合確定判決と確定証明書がある場合 意思を擬制する裁判では勝利すればその判決は相手側の実印そのものなのです ところが裁判に勝った当事者が陸運支局に出向くと陸運支局の窓口は譲渡証明書に相手側当事者の実印以外の判子をもらってこいというのです これは陸運支局が確定判決の意味がわかっていないからです そもそも対立する当事者が3文判を押してくれるでしょうか もし無断で3文判を押せば有印私文書偽造になります 対立する当事者ですから告発もありえるわけです 不起訴か起訴猶予になると思われますしそもそも警察も動かないと思われますが違法となります
債権法改正 意思表示意思の効力発生時期1
そのほとんどが契約という形で発生する法律行為にとって意思表示の効力発生時期は重要なファクターです 現民法においては隔地間の意思表示の効力が明文化されていましたが今回の改正によりその定義がすべてに適用されるようになりました 民法97条の汎用化となったのです しかし従来からどれを隔地と呼ぶのかあいまいのためほとんど97条の汎用化が行われていて実務上の変化は特にありません 大事なのは第2項です ちなみに現法第2項はずりさがり第3項となります では新法第2項とはどのようなものかと言うと まず意思表示を到達により発生するとした上での到達せずに意思表示が発生する例外をもうけました それが第2項です その例外はずばりいうと邪魔があった場合です 当事者の一方が何等かの理由で一方の意思表示の邪魔をした場合です 例えば企業が申込みの誘引をしながら申込みの受理を拒否した場合等です この場合新法ではみなしを適用します つまり契約の当事者が到達をさまたげても 到達したと思われる時間に意思表示は到達してしまうのです もちろんすべての事に適用されるわけではありません 邪魔した側に正統な理由がある場合はみなしはされません すこし複雑になったのでまとめましょう 民法97条の改正は意思表示の効力時期を統一したこと それと身勝手な拒否に意思表示の効力の受領の責任を負わせみなし規定により徹底したということです しかしこれは実務的には特に変化はない なぜなら隔地という定義があいまいですべての契約は原則隔地契約を基準としているから もっとも隔地契約じたい今回改正されます それについては順々に説明します
債券法改正 意思表示の効力発生時期2
では改正97条3項について説明します これは現法2項に相当します 内容は発せられた意思表示の効力はその後の状況の変化により原則効力を妨げられないというテーゼです 文面が変わっていますがこれは判例を意識した変更で現条文よりわかりやすくなっていますが実務的変化はないでしょう 簡単に言うと意思表示をした人間が死のうと制限行為能力になっても効力に影響はありません そこで実務的に少し説明しましょう 業者と客が取引で車を売買したとしましょ 業者は偶然申込みを受けたあとに客の死亡を知っても 契約成立前でも勝手にその対象の自動車を別に販売できません というのは客の契約の地位は一身専属のものでない限り相続人に自動的に相続されるからです この場合業者は相続人と契約をどうするか相談する必要があります 契約は成立していないから権利は継承されませんが 申し込みにより発生した契約上の地位が相続されることを覚えておいてください
債券法改正代理
代理についての改正は言葉の言い回しをかえたという印象で実務的に極端な取り扱いの変化はかなり影響は低いですが百2条については少し注意が必要になります 特にネット取引 顔の見えない取引をするかたはお気をつけてください 今回の改正で無能力の代理資格が明確に認められます つまり無能力者の代理行為が本人には有効な取引となります これは本来かなり微妙な問題があるのに その議論を無視して改正されました 本来無能力者に代理を依頼するというのは実務的にはありえないことでした しかし百3条の成立の時 法定代理までこの条文に含んだため というのはこの章の代理は本来任意代理を対象にしているが法定代理のことまで条文にいれてしまったので 無能力者がする代理が任意代理と同じ土俵にあがったのです というのは無能力者に代理人を依頼するひとはいませんが 法定代理はなれる人間に制限があるため 無能力者でも代理人にならなければならない場合があるんです そこで改正民法はわざわざそれをこの場所で例外規定としてダメ押ししました というのはこの百2は代理人が無能力者の場合の取り消しを禁じてるからです その理由は取引の責任は本人がかぶるからです しかし法定代理の場合は本人の社会的立場がよわいわけで 法定代理はその立場を強くするためのものです そこでこの場合この原則はあてはまらないと条文を置いたわけです これはこの条文を作った人間の高い倫理感を感じます ところで今回改正でこの条文はかきかえられました その背景について次回説明します
債券法改正代理2
まず 顔の見えない取引の発達がその背景にあります いわゆるネット取引の活発化です それに加えて個人情報保護の観点から無能力者の区別がつきにくいのです そのためいつの間にか無能力者が代理人として取引の間に入る可能性があります そこで無能力者の保護を徹底すると取引に影響がでます 無能力者を代理人に頼むひとはいませんが知らずに代理を頼む人がいます 無能力者を保護しすぎると取引が不安定になりますし わざわざ無能力者を代理人として頼み都合がわるいと取り消す人間もでます そのためあえて法定代理を含め法定代理についての文章を任意代理の場所に加えたのです しかしこれにより任意代理と法定代理は同じ土俵に上がってしまったのです
マスクの高値におきをつけください
あす15日転売規制が入ります しかしこの法律はざる法なのでさまざまな方法で転売者は生き残ります まずマスクをバラ売りにしてマスクで利益を出さず送料で稼ぐ メーカーには規制はできないためメーカーのようにして< 登記の目的欄変更 新会社設立 独自の箱をつくり偽装等>規制を逃れる またメーカーの代理店になる このように規制以後も生き残りをはかるはずです だから規制以後ネットでマスクが買えなくなる可能性はゼロではありませんが 今の異常な高騰の価格 今朝から一部ではどんどん値がどんどんつりあがっています 財布や必要性と相談しながら慎重に判断して買いましょう もちろんマスクはある程度高値でも準備する必要はありますが 今度の政令ではネット転売者がすべて手を引く可能性は少ないです よくよく御自分で判断ください
債券法改正代理3
今回は民法百5条復代理についてのお話です さて現民法は代理は本来委任を受けた本人が行うことで 代理人が叉代理人を使う復代理は代理制度の例外としての位置ずけにありました そこで代理人が復代理人を委任できるのは 原則本人の同意 やむおえない理由の二つの場合のみ認められました そしてこのルールどおり復代理人を委任した場合 代理人の責任をある程度やわらげてやろうという考え方でした その理由は代理は本来本人のために行うのであるから 本人の承諾を受けたり 本人の便宜をはかるため復代理人を選任した代理人に責任をとらすのは酷だという考えにもとづきます しかしこれは代理人の代理権の乱用と委任事務を他人に丸投げするような問題を起こしました また昨今のIt社会は代理人一人では本人の希望をかなえることが不可能になったのです そういった背景から復代理を制限したり特別扱いをすることに疑問が出るようになったのです そういった事情で現民法は復代理に制限を加えながら その責任の軽減である百5条を削除するにいたりました
債券法改正代理4
今回からは代理人の代理権の乱用にかかわる新設民法改正百7条についてじっくり説明します この問題は旧民法についても理論的に解決がついてるのですが今回あらためて明文化されたものです この問題は表見代理や無権代理人の責任に密接にからむためその責任を問う訴訟においての判決により間接的に生成された理論です しかし驚くことに旧民法においては明文においてはかけらも規定がなく 旧民法があまりにも性善主義的考えで作られたというのがわかることがらです さて旧民法では予定もされなかった代理権の乱用についての問題とは 簡単にいうとこのようなひとことで言えます 良く虎の威を借るキツネといいますが キツネが虎の威を借り虎のように振る舞い被害が出たりもの事が成立した場合 威を貸した虎の立場はどうなるかと言う問題なのです 現民法百7条においては乱用の定義を明確にする形で文章が始まります 法律文章では濫用と言う用語が使われます
債権法改正代理5
今回は前回説明した条文のきっかけとなる最高裁判決について取り上げ理解を深めましょう この条文のもとになった判決は最高裁昭和42年判決です この頃この条文はないので旧民法92条93条についての結論です 実際には複雑な状況なので論点にそい単純化します 事件の経緯はこうです z会社という会社があり その代理人がBです ある日取引があります しかしその取引はまともな取引ではありません Bは不正を行おうとしたのです そして大事な事は相手y会社は その不正を知っていました そして取引は成立します y会社は取引が成立したのだからzが責任をとれと代金を請求します つまりyとしては誰が損しても自分らが稼げればいいという考え方なのです その時Bに文句をつければ取引が不成立になりビジネスチャンスを失うと見て見ぬふりをしたわけです しかしそのお金を請求されたzはなんの取引のメリットもないわけで当然反発します そこで裁判になります yの言い分はこうです 代理人の責任は本人がとるのがルールの基本だ もし代理を逸脱してもbは使用人なので雇い主としての責任をとれ yの弁護士は狡猾ですね というのは代理権だけでなく使用者責任までひっぱり出してくるのは自分の依頼人が正当な要求をしてないことを知ってるわけですから この依頼人にピッタリの弁護士です そして判決が出ます 長くなるので次回
債権法改正 代理権6
さて結論を言います z会社が勝ちました これは条理から考えれば当たり前ですが裁判の場合法律なくして結論は出せません しかし法律がない この場合民法では類推という方法が使われます 類推とはそれを規制する条文が存在しなくても それに似通った条文を使って判断するという法律スキルです 例えば医師について秘密保持がある場合 同じ立場に近い看護師にそれを使うというような事です しかしいささか乱暴な方法なので刑法ではこれを明確に禁じています しかし私法では禁じていないのです そこで最高裁はこれを解決するため この事例について作られたわけではない旧民法93条をもってきます 最高裁判所はy会社の身勝手な論理を法律スキルで否定していくのいですがすべて取り上げるときりがないので要点だけ説明します 民法93条は心理留保の規定です 心理留保とは本人の真意と表示が異なる事について規定した条文です もともと代理についての条文ではありません ではどのようにこの条文を代理に当てはめたのかご自分で考えてください 正解は次回です
債権法改正 代理権7
考えていただけたでしょうか どのように考えて最高裁はzの会社の利益と社会常識を守ったのか もっとも結論を採用したのは最高裁ですが提案したのはz側の弁護士です どんなに正義が明確でも裁判所の方からそれを提案することは許されません これを弁論主義と言います ではどのように本来代理の条文ではない民法93条をこのケースにあてたのでしょうか 本来代理人に関して判断するファクターは本人 代理人相手方です しかし民法93条は一行もそれが出てこない 93条に出てくるファクターは表意者の真意 意思表示 相手方です 共通するのは相手方だけです そこで大変乱暴な方法をとりました まず人の思考の本体を本人に読み替えます そして人の相手方にしめした意思表示を代理人に読み替えます すると旧民法93条はこういう条文になります 代理行為は本人の命令の内容伴わなくても効力をさまたげられないがただし 相手方が代理行為に命令内容が反映されていないことを知り また知ることが出来たときはその代理行為は無効とする どうですか すっきりしましたか 確か疑問は残ります しかしこれが大岡裁きって奴です もちろん相手側は反論しました もともと民法93条は代理の条文じゃないじゃん 構成要件の要旨が違うじゃん しかしこれは責任論から反論が可能です 旧民法93条は心理留保の条文です 心理留保とういうのは表示者に責任がおおきいわけです それでも法は無効の認めてるならそれより責任が小さい今回のzの方が救済されないなら法の不均衡をまねくわけです 相手側は矛先を替えzのbに対する使用者責任を追及しましたが裁判所はそれも採用せずzを勝訴させました しかし日本の場合成文法主義なので判例は法律ではないため今回明文化したものです
番外編成年後見制度
今回思う事がありましてこのテーマについてはなしてみたいのでお付き合い下さい というのは先日某病院で思うことがあったからです 病院の待合で待っていたら 受付である老人が保険証の提示を求められていましたがないようでした 受付がそれでは全額負担になるというと持ち金では払えない 司法書士が保険証とお金をもっているから連絡をとってくれと電話番号を提示しますが受付は休日だから無駄だととりあいません 私はこの時この老人は成年被後見人だとおもいました 司法書士はきっと成年後見人なのでしょう ただその時思ったのは病院側はまったくこの制度を知らないということでした もし知っていれば言われるままに連絡をとったでしょう おそらく司法書士は休日も対応しただろうから そしてもう一つ思ったのは保険証まで後見人があずかっていいにだろうかという点です 確かに保険証は身分証明書としてつかわれますから詐欺や盗難されるとまずいことになります 現にこの老人は病院から全額負担をせまられています それもこの人にとって不利益ですがもしこの人が短気をおこし治療を受けず帰ったらと考えたらと考えたらとおもい考えてしまいました しかし今回はこの人は食い下がったので それでも負担割合はわかりませんが 治療はしてもらったようです しかしそれでもかなりの負担になったのでしょう 法務省も新しい制度を作るのはけっこうですがもっと公共機関に徹底してもらいたいですね 確かに保険証を後見人があずかるのは詐欺に対して有効ですから そんな負担の多さより大事だと言うかもしれません しかしこの人がもったいないと治療せず帰ったらどうでしょうか だいたい成年被後見人というのは正常な判断ができないから成年被後見人なんで 非常識な判断をする可能性は高いわけです この人は付き添いがいないのでおそらく独居老人だと思います こういった独居老人は施設の金が払えない人に増えて行くと思います そのための成年後見人制度です しかしなんの役にもたっていない 健康を守れない 生命さえも危うい制度に今の状態で価値があるのでしょうか お役人や政治家はもっと真剣に制度を拡充してほしいです その頭が帽子の台でないことを望みます
債券法改正代理8
今回は改正民法百八条についてです 一項については理論的変更はなく明文化にすぎませんので説明省略 2項については新設です 実はこの条文法定代理の理論を任意代理までひろげた画期的条文です 2項の要旨である利益相反関係は法定代理人と無能力者との間に固有的に生じる問題として任意代理の世界では検討されませんでした 例えば親子で利害衝突する遺産分割協議とかで検討される問題でした しかし社会の発展により法定代理人のような任意代理人の出現がまたれているわけですからそれによって生じるトラブルを事前に明文で規制しようという意図なのです しかし安易に成年後見制度をひろげていくのは前回説明したように弱者への攻撃にもなりかねないという点を忘れてはいけないと思います
債権法改正代理9
今回からは改正民法百9条2項について説明します この2項は新設ですが理論としては目新しいものではありません 俗に理論の世界で百9条と百10条の重畳適用という問題がありました それを立法的に解決したにすぎません これには判例がありますのでそれについて紹介しながら話を進めていきましょう まず事例について説明します まずyさんという人がいます この人がAと不動産の取引をしました この時aはbという代理人をたてます ここで気をつけてほしいのはbはaの代理人だということです ところが実務上の都合からおろかにもyは権利証 登記済証と呼ばれこれを昔は登記に用いました yの印鑑証明書 譲渡証書 そして白紙委任状をbに渡してしまいました この頃地面師といいまして悪質な業者がいたんです この後Aはyからの土地x
所有の土地を交換します ところがbはなぜかxの土地と今やa
の土地となった土地をyが契約したようにしてxと交換契約を結びます いったいなんのために 実はこれかなり複雑です ようするにはめたんです ただそれについては割愛します とにかく不動産取引はまともな感覚で報酬を得たくない人が介在します そういう人は他人から損害賠償をせしめたり とにかく全員で詐欺まがいの事をやります しかし裁判所では請求以外の事は追及しませんのでそのほかは結論を出しません では今回も法律論のみで話をすすめます さて追い詰められたyに裁判所はどのような結論しめしたでしょうか 法の重畳適用というのは2つの条文を両方使うということですから百9条と百10条 旧民法ですが両方を見て考えてください では長くなりましたので次回
所有の土地を交換します ところがbはなぜかxの土地と今やa
の土地となった土地をyが契約したようにしてxと交換契約を結びます いったいなんのために 実はこれかなり複雑です ようするにはめたんです ただそれについては割愛します とにかく不動産取引はまともな感覚で報酬を得たくない人が介在します そういう人は他人から損害賠償をせしめたり とにかく全員で詐欺まがいの事をやります しかし裁判所では請求以外の事は追及しませんのでそのほかは結論を出しません では今回も法律論のみで話をすすめます さて追い詰められたyに裁判所はどのような結論しめしたでしょうか 法の重畳適用というのは2つの条文を両方使うということですから百9条と百10条 旧民法ですが両方を見て考えてください では長くなりましたので次回
債権法改正代理10
さてみなさん正義は勝ったでしょうか もっともyが正義というにはxが正義でないと言うことになりますがaについてはグルだと思いますが xは微妙ですが まとりあえずyが正義としましょう そして正義は負けました 最高裁判所はおバカの面倒までみられないとxに勝利を与えました この事件を見て二つの条文を見て109条はあてはまるとわかりますよね 問題はxはこれだけでは勝てません というのはyがbに渡した書類というのは登記書類だけなんです しかしbはxと契約までしてしまう y側の弁護士はなるほどyには登記書類については大きく責任があるので登記のbの表見代理は認めましょう しかし契約の権限に関する書類は勝手にbが偽造したんから それに関する書類は当方のあずかり知らぬことです それを見抜けなったxさんに責任がありますよ この場合yが勝ちます なぜかというと109条でyが譲歩しても 契約そのものが無効ならyは登記についてのみxに迷惑をかけることになり 登記されていたとしても契約が存在しないので登記は無効です そこで問題になったのはyの油断によりxは契約がyと成立したことにやむおえないかという点にしぼられました そして裁判所の出した結論はyの過失はxがbの代理をyがすべて責任をとらなきゃならないほどひどいものだ だから代理権を与えてしまった人はその相手方が自分の与えた代理権の権限を越える代理権だと勘違いしても その勘違いも含めて責任をとるべきだとしめくくったわけです これを109条110条の重畳適用の理論と呼び それを明文化したのが新法109条2項です
債券法改正代理11
今日は新法百12条代理権消滅後の表見代理について説明します 元来代理というのはイメージがしにくいです 通常の代理はきちんとしたルールで行われます 民法の規定する代理トラブルというのは詐欺と紙一重で通常の取引では存在しません だから代理については信用のおける代理人 または有資格者を頼めば個人レベルでは今まではトラブルにつながりません しかしそれは今までの話です 顔の見えない社会 いわゆるネット社会において連携する人々は互いに信用のない関係です 一時的に利害でつながる関係です ですから悪人が介入するハードルもひくくなってるのです さて今回取り上げる代理権消滅後の表見代理とは読んで字のごとく本人のしりぬぐいが遅れたためその痕跡を悪用されたというトラブルです このトラブルは3つ目の類型のトラブルですがもっとも多い代理トラブルで本人が責任を負う確率がきわめて高いものです というのは前の二つ つまり無権表見代理と踰越表見代理は取引社会において本人の意思が存在しない または本人の意思を超越している つまり虚構の部分が多いです しかし消滅後の表見代理はある一定の時期に本人と代理人の表示は一致します つまり取引社会において本人は正当な代理を承認してしまうことになるわけです しかし代理というのはいろんなけいたいがあるため常識から代理の終了は判断できません そこで代理は原則個別代理です そうなれば代理の終了は相手にも第3者にもわかりやすいですから 典型的なのが車の登録です具体的で単純な個別委任のため委任の終了はすぐわかります 次回
債券法改正代理12
前回の続きです 前回説明したように委任の形態はあまりにも複雑なため代理の終了を公証する方法がありません 例えばある人に委任状を渡して代理権を与えたとします 取引が終わってその委任状を取り返すということができるでしょうか また委任状を取り返すことだけで委任の終了を公証できるのでしょうか 例えばAがBを代理人として取引をしてBとの代理関係が終了したのちcが知らず再びBを通じて取引した時 cはいちいちBの委任状を確かめなくてもそれはcの大きな過失になるでしょうか またこれがAの責任とするなら Aは取引が終わるたび代理関係の終了を相手側に内容証明で伝えなければならなくなり そんなことをすればcと代理人の間のトラブルを想像されてしまい だってトラブルもないのにそんな手紙を取引先に出す人などいるわけないからです そのせいで代理人は信用を失い それがこの場合のbなら2度と代理を受けてくれないでしょう Bだけならともかくそんな事をしていたら誰も代理をしてくれません 職業代理人なら公的義務がありますから受けますが 例えば特殊な能力がなければ代理の仕事ができない代理人 例えば刀剣や骨董の取引で鑑定知識をもつ代理人 この手の代理人全体に反発されれば取引じたい出来ません そして彼らは職業代理人ではないので公的義務はありません つまり拒否は自由なわけです というわけで現実を考えた場合 この代理契約の終了を本人が示す方法は物理的にできても現実には不可能という壁にあたるのです 次回
債券法改正代理13
さて今回は改正民法百12条第2項について説明します さて前回でも説明しましたが代理権には二つの要素をもつ重畳適用が存在すると そして重畳適用を最高裁は容認する立場だと さてこういう重畳適用はどうでしょうか aはBに代理をたのみcと契約した そして両者の代理関係は終了した しかしbはその状況や書類を利用してdと取引に及ぶ ところがdとの取引はかつてbにあたえた権限を越える行為だった 民法の世界ではこれを百十条百十二条の重畳適用問題といいます これについて判例は認めています というのは百九条百十条の重畳適用を認めたならこの問題だけ認めなければ矛盾するからです だいたいなんで判例が重畳適用を認めるかといいますと外観を作ってしまった本人に責任を強く負わせているからで 代理をしてない人間に責任を負わせるのに 一度でも代理権を与えた人間の責任を負わせないのは不均衡だからです 今回その理論が明文化しましいた これは大変有用な改正です というのは112条百十条の重畳適用の判決はありますが法定代理の問題が入っていたのです とういのは代理権を消滅理由が本人が被後見人になったという特殊なもののため 消滅理由が任意代理の他のケースがあてはまるかどうか議論がありまして 今回それが明文によりすっきりしました それが今回民法112条第2項の新設でした 次回
債券法改正 無効及び取り消し
本日よりジャンプして第4節に入ります いろいろ検討した結果実務的に考慮すると やはり代理ばかりにかかわっているのは非効率なので細かい改正は その時々に対応するしかないと結論しました さて今回第4節においては実務的にも意味がある改正が行われました それが第百21条の2です これは何かというと取り消しの現状回復についてです 法律をしっかり学んでいないと えっなんでいまさらというかもしれません 実務的には現状回復は行われてますので しかし実はこれ民法に根拠の薄い現状回復なんです 取り消し権の行使 つまり百21条には現状回復についてふれてません そこでどういう形でこの現状回復させるかというと 不当利得という方法を使いました どういうことかといいますと 例えば売買契約 これがとり消されると 遡って無効になります この場合買い主は持っていてはいけない商品をもっています 一方売り主はもってはいけない代金をもっています なぜなら両者をつなぐ契約という橋がなくなるか 最初からまぼろしなのか つまり二人の所有関係は法律のうらづけのない状態です こういうのを不当利得の関係といいます これには返還義務という条文があり これを理由に現状回復を認めたのですが そのまま使うのはちょっと不都合で 少し修正されて無効に使われてきました 今回この現状回復の義務の新設がいおこなわれたのです
債券法改正 現状回復義務
前回の続きです 現状回復義務は3段構えでその内容を細かく決めています まず新法120条一項 これは2項3項を除いたすべての契約についての総論です 内容は無効な契約にもとずいた給付はもとに戻せと言ってます 当たり前の話です しかし今までこれがなかったので裁判沙汰になったんです 日本の場合判例法ではないため最高裁が現状回復義務を認めても それは規範 つまり社会を規律するルールではありません しかし日本の官庁は前例踏襲という悪しき慣行があるため下級審が最高裁に逆らう事は少なく 3審制のはずなのにまた下級審に戻ってくるという事実上4審制以上のため 最高裁の結論は実質的に法規範になります そこで混乱をさけるため後追いのように立法されます 今回のこの現状回復義務もその解釈は最高裁にゆだねたままその外郭を明文にしただけです したがって実務的な変更はないでしょう だからむきになって覚えなくても一項は特に問題ないでしょう また覚えても様々なケースが存在するため意味ありません しかし2項は違います これは今後争点になりそうな条文です 2項はある特別な契約のみ適用されます どのような契約かというと 無効となった契約が無償契約の場合です この無償とはなにかについては争いがありますがそれはほっといて 代表的なのは贈与ですが贈与を受けた側はその贈与が無効でも その無効をしらなければ 現に利益を受けた部分のみ返せばいいということになりました 現に利益を得たとはどういうことかと言うと法律をかじった人はわかるんですが素人はわかりません どういうことかといいますと 主に未成年の時にでてくるんですけど ある少年が契約をして取り消し権を使った場合 相手は少年に返すわけですが少年がお金を得たとしましょう10000円お金を得た時 少年にとって形に残るものは使った分を返還する必要があります 例えば得たお金のうち5千円 給食費に払ったら その分は現に利益を得た部分で返還します でゲーセンですっちゃった5000円があるとします これは返還不要です 何もあぶく銭はパッと使えって言ってるんじゃないけど法律のいまの解釈はそうなんです これからもこれ出てきますからは感覚として理解してください では次回
債券法改正 現状回復義務2
前回は新法百21条の2を説明しました 今回は2項の補足と3項についてです 第2項の趣旨は今まで行為無能力者の特権的な現に利益を受ける部分のみの返還という無能力者保護のための特例をそれ以外まで拡大してしまったわけです この2項はもともと無償契約 つまり濡れ手に泡で他人のものを譲り受けた人を対象に特権を与えてやるわけですが 常識で考えた場合 ただで手に入れた人にそこまで親切なのはなぜ 実はこの条文の背景には商法 特に会社法と民法の乖離を一度に解決しようとするいやらし意図が見え隠れします ご存知のように無償契約の一つに寄付があります 個人間の寄付なら問題ないんですが個人から法人への寄付というのがあります 無償契約て言うのは解釈が難しく 会社への寄付は実際には対価を出しているんです ここで寄付が無効だと 大型の贈与を受けた時は会社は株を発行したりとかけっこうめんどくさいことをやります ここで寄付 また贈与が無効だと また全額かえさなければならないと会社は混乱します そこで国としては会社への寄付は返還請求してほしくない まあ贈与した方は取り消してもメリットが少なければ事をあらだてない人も多いわけで 会社はもらいどくです そんな事情がありこのもらいどく条文が出来たのではないかと想像されます 次回
債券法改正 現状回復義務3
今回は121条の2 第3項について説明します しかし今回の債権法改正で見逃せない121条の改正を関連として説明します 旧民法121条は大変重要な条文でした その内容は取り消しの一般的効果についての条文です 今回改正民法もその基本は同じですがある部分をばっさりと削除してしまいました その部分とは本文につづくたただし書きです 旧民法では取り消された行為は初めから無効として取り消しの遡及効を説明しますが 何回も説明しましたが但し書きで制限行為能力者の特例 現存利益以外の免除がうたわれていました しかしこの部分は削除されます その関連として121条の2 第3項が設けられます しかしこの3項は制限行為能力者のみの特例ではなく 民法の取り消し全体の特殊なシチュエーションとして認められます 民法121条の2の構造は大変わかりにくい構造で順番からいくと1項3項2項なんです つまりすべての取引の現状回復義務 特殊なシチュエーションでのすべての取引の現存利益のみの返還義務の例外事項 特定の形態の取引の現状回復義務の例外である現存利益のみの回復義務 この方が理解しやすいのです そこで説明としてわかりにくくなったのですが第3項は 1項と同じですべての取引の現状回復義務の例外を規定する条文です 総論としてまとめますと今回の現存利益のみの返還義務は人的特例からシチュエーションによる厳しい制限を課しましたがただ無償契約については全体として特例の恩恵を受けられるように改正されました その背景には会社法とう商法の企業優位の論理があると思われます
債券法改正 追認
本日より新法124条追認について説明します この追認という言葉読んで字の如く 後から認めると言うことです しかしこの言葉わかったような気持ちになるだけで漠然としてると思ってるかたも多いようなのでその意味内容を説明しましょう 民法はひらたくゆうと主に契約を規律する法律です 契約においては原則大事なのはその契約時点においての法律的状況です それにより契約は有効無効が決まります しかし契約には契約を目的とした利益があります だから特別な無効 つまり公序良俗違反とか 憲法精神に反する無効を除いた無効と取り消しには その法律の効果の補完をすることで法律の効果を完成させようという考えがあるのです それが追認です さてこの追認は契約の時から状況が一定に変化した時 またはそれとおなじような事情が成立した時から出来るといルールが旧民法よりさだめられています やみくもに追認を許せば取り消しの制度そのものが意味をなさないからです しかし一方旧民法では一定の状況の変化があれば追認できるし自動的に追認となる法定追認という制度もあります そしてこの追認にはもう一つ問題点があります それは追認は取り消し権の放棄という一面です 取り消し権者は追認すると以後取り消し権を行使することが出来ません そこでそれでは取り消し権者に不利すぎると早い時期から裁判所は追認の条件に付加条件を加えていたのです 次回
債券法改正 追認2
前回の続きです 旧民法124条では追認をできる人 相手方に追認を要求する権利がある場合 追認の選択を迫られる場合もあるのですが この追認のできる条件 また追認を迫られる始点は これを民法では追認の要件といいますが 取り消しの原因となってる状況が消滅したあと つまり客観的な要件のみ条件としていました 日本の民法は客観主義のものが多いですが これは日本の民法がフランス法 正確に言うとナポレオン法典を起源としていまして その当時ナポレオンが影響を受けた レッセフェール つまり自由放任主義の思想にもとずくからと言われています ですからレッセフェールという思想では紛争の解決を平等な誰にでも不満のない形で解決しようとします しかしこれは悪平等も起こすので日本の法律家達によりその修正がおこなわれました 今回の新法のかつという言葉のあと 取り消し権を存する事を知った後でなければ追認できないという言葉が裁判での判例の結論だったのです 旧民法の条文では取り消しの取得がわかりやすいもの 例えば制限行為能力者の関係は対応できますが 詐欺 脅迫 今回から加わる錯誤など取り消し権者が取り消し権を手に入れたかどうか不明の時があります この場合取り消しの対象の事実をしらないで 言われるままに追認やや後で話す法定追認にいたるケースもあるのです 追認は取り消し権の放棄ですから取り消し権に気づかず追認はおかしなはなしです そこで判例と新法では 取り消し権者が取り消し権を認識することを追認の要件に加えたのです
債券法改正 条件
追認については実務的に大きな変更について法定追認を含めてありません そこで条件に進みます 条件は判例の反映という域を出ていませんが理解しやすいので説明します まず停止条件と解除条件についておさらいします 条件とは法律の効力を一定の事実にかからわしめることです 条件はかなりタイプがあるのですがこの二つがわかればいいのが停止条件と解除条件です 停止条件とは原則の条件形式で 法律の効力が一定の事実により発生します といいましては実務的には契約そのものが一定の事実により発生する方が多いです たとえば大学に受かったら車をかって上げるとかで この場合贈与はその場で効力は大学合格時なのですが 贈与契約そのものが大学合格時とも言えますので実務的には法文どおりでないケースも多いですが 一応解釈はこの場合も停止条件付贈与という形をとります 一方解除条件は契約の時点で効力が発生し その効力が一定の事実で消えることを言います そこで旧民法では実務的に起こる条件についてのトラブルについて停止条件についてのアクシデントを予測して130条にこのような意味の条文をおきます つまり条件のある契約について不利益を受ける方がその条件の成就をさまたげた場合 その利益を受ける当事者は条件が成就したとみなせる かんたんに言うと贈与したほうが おしくなり その条件をみたすことを邪魔したら贈与したとみなされます 贈与ははっきりしてますが他の契約は解釈は難しいですが裁判では大概条件の出した方が 条件の成就により不利益になるものと想定されます 自分が不利益にならなければ邪魔するわけないですから しかしこの条文だとじゃあ 条件が成就することにより利益を受ける当事者が条件を成就させた場合はどうなのか 理論上はこういうことも言えます しかし条件を成就することによって利益を受ける当事者が条件をみたそうとするのは当たり前です 贈与を考えてみましょう 車を買ってもらいたいから大学に受かるために勉強する なにも問題はないわけです だからそういう条文は必要ありませんでした しかし例えば条件の成就により利益を受けるものが通常では条件の成就が出来ないのに無理やり条件を成就させたらどうでしょうか 例えば大学に受かるためカンニングをする このような成就の仕方でも契約は効力を発生するかということです 条理でもだめですね 判例でも平成6年の判例でその条件の成就は否定されています よくあるのは本来許可が下りないのに役人に圧力をかけ または買収して許可をおろすとかの話です ただ不正という解釈がいいかげんで 実際にはこの条文どうりの判決はあまりきたいできないようです 特に政治家に対しての正常な陳情を不正と断ずるほど強い判事はあまりいません いずれにしても判例で確立した理論を明文化した条文です
債権法改正 地役権
本日から物権編に入ります えっなんで物権 という方は法律を知ってますね そう しかし今回物権も大きく変動しています 物権について説明しません 実務は理論覚えても意味ないし 定型物権だけおぼえていれば問題ないので さて条文にもとずきいきなり284条に入ります といいましてもこの地役権という物権 不動産関係以外の人はあまり役に立たないかな 関係すると車庫証明なんですが今まで地役権がからんできたことはないですね とばしてもいいんだろうけど 教養程度に知ってると営業の雑談ぐらい役にたつかも ということで軽く説明します おそらく本講座でも初めての物権でも初めてなのでおおざっぱに説明します 地役権とは自分の土地のために他人の土地を便益できる権利です 一番わかりやすいのが通行地役権といいまして ぶっちゃけた話道を通る権利です それで便益を与える土地を承役地といいます 便益を受ける土地を要役地といいます このぐらい知ってればいいと思います 車庫証明で通行地役権で許可を得たという話は地役権の設定の仕方で可能と思われますが 警察に説明するのが大変で その労苦を考えると同意書をもらいに行くほうが楽です まず物権とは何かから説明しなければならないので
債権法改正地役権2
前回の補足です 地役権が車庫証明に影響するといってもイメージわかない方も多いと思います そこで具体例をひとつ 時々ですが奥まった土地に住んでる方がいます もちろんそれは問題ないんですが公道に出るのに他人の土地を通らなければならない場合ごあります これを囲繞地といいます この囲繞地には通行権というのが必ずあります で個人の場合この囲繞地に車をおくのですが この場合警察の車庫証明では通路になっている土地の所有者等の同意書を必要とします 囲繞地は人の通行のための権利なので警察の理屈は正しいです しかし個人の場合はないでしょうが法人の場合この囲繞地を要役地にして通路の土地を承役地にします この場合自動車で通行できるという意味の設定した場合承役地の同意は必要ありません なぜなら地役権は物権だからで物権 特に使用収益権は使う時誰の許可もいらないのです しかしこの地役権の登記簿をつけて車庫申請したことはありません 実際には設定されてても知らない人がけっこういるようです