よくあるご質問6

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遺産分割協議の内容についての知識

遺産分割協議についての総論についてはすこしはなれ今回からは遺産分割の内容 つまり個々の問題を実務判例をまじえてやって行きたいとおもいます

寄与分

寄与分とは被相続人についた相続人が他の相続人よりすこし余分にもらえる権利です しかしその要件については一般では誤解されてる部分があります そこでクイズです どちらが寄与分をもらあえるでしょうか ここで被相続人をAさんとします Aさんには子供Bさんと子供Cさんがいます まずBさんはAさんのために足を棒のようにして素晴らしい老人ホームを探してきてあげました 一方CさんはAさんが振り込め詐欺で騙されたお金を乗り込んで取り返してあげました では問題 どちらが寄与分をもらえるでしょうか

前回の答え

寄与分の対象になるのはCさんです Bさんの努力は金銭にかえられないですが具体的に財産の維持があったとは言えないのです 寄与分の条件はお金に換えられない利益を被相続人に与えた人ではなく お金の損失を防いだ その額が客観的に証明できる人で 被相続人を幸せにした人ではありません また明確にお金を増やした事があきらかな人です 例えば被相続人の事業を手伝っていただけではみとめられません またCさんの場合も子供が親を守るのは当然と解釈されると認められません 問題になるのは親の介護をした相続人を寄与分を認めるハードルが高いです まだまだ考え方の古い理論の通る条文です

特別の寄与

特別の寄与とは 特別調子のいい清原ではありません 相続人が被相続人との関係において期待される通常の貢献を超えた貢献をいいます 寄与分が認められるためには財産の維持増加の他に特別の寄与が必要とされています その中でも一番みじかな療養看護において説明します まず必要なのは専従制です 一日中とまで行かなくてもりていど生活が療養介護に拘束される必要があります それは第3者が見て人生を犠牲にしているれべるです<実例からみると>次に継続性です 人生を犠牲にしてるレベルであれば両方ともクリアできるでしょう またそれにより財産の減少をおさえられると言う可能性と 実際財産の減少をさけられたと言う事実です そこで今問題になるのは介護保険です これにより一部の人を除き経費負担は少なくなります それにもかかわらず子供達が介護をしたばあい それを特別の寄与と認める必要があるかと言う議論があります しかし介護は微妙で家族以外面倒を見させない人もいます ですからいちがいに介護保険があるから家族の介護は特別の寄与に当たらないと判断するのは早計であり裁判でもそこまで非情な物はないですがハードルはどんどん高くなっています

寄与分療養型の審判例 

次にいくつかの療養型寄与分の審判例の要点を示します      まず期間ですが最短の実例が一年ちょっとと言うのがあります その間つききりで寄与分を日当で計算して認めています 頻度の少ない例としては月2回 ただし10年に及んでいます ここから考えると長期かつききりかどちらかが一定のレベル以上であれば片方のレベル以下でも現在は認める傾向にあると言う事です どちらが一定以上でも人生を犠牲にするのは間違いないので正しい判断です だからたまに親のご機嫌伺いに来るような相続人には寄与分は一銭も認められませんから面倒見てる人は自信を持ちましょう 最後は裁判沙汰にすれば勝てるでしょう

寄与分の特殊性

寄与分には大変特殊な部分があります 遺留分ですと法律できまるのですが寄与分は相続人を自然人と言うより相続単位と考えてるようです 例えば被相続人に相続人がなんの貢献をしていなくても その戸籍上の妻が多大な貢献をしていると その貢献を相続人の貢献とみなし遺留分を認められるケースがあります また事実上の親による搾取を相続人の貢献とみなし認めたケースもあります 本当は違いますが正式な保障を認めるのが困難なので救済した大岡裁きです 身分関係の裁判では裁判所は時々大岡裁きをやります だからあきらめず寄与分があるなら請求するのもいいかもしれません

寄与分を定める処分調停

遺産分割協議が上手く行かない しかし調停にするのは厭ではなしあいにしたい しかし自分の寄与分は早く認めて欲しい そうゆう人のために寄与分のみを調停にすると言う方法があります それが寄与分を定める処分調停です

持ち戻し免除の意思表示とは

相続財産は被相続人が現に所有している財産だけでなく ある財産を加算されます これを特別受益のもち戻しといいます 例えば相続財産1000万あったとして相続人の一人に500万円前渡とすると 一定の条件にはまれば この金額を相続分に入れ 1500万円にします これがみなし財産です これを相続人子供2人なら二分して一人750万です ここから前渡をもらった方は前渡しをひきます すると貰った方は2百50万となります 持ち戻しの免除の意思表示はこのルールを無視していいと言う意思表示です

特別受益持ち戻し免除と遺留分

一方の相続人が前渡の財産をチャラにしてしまう それが持ち戻し免除の基本です なるべくやらない方がいいでしょう あとで必ず兄妹仲がうまくいかなくなります しかしそれでもやる事情があるなら ルールが一つあります もう片方の遺留分を侵してはいけません そしてちょっと計算が複雑です 例えば1000万あり相続人Aとビーがいずれも子供でAに500万の前渡があったとします この場合Bの遺留分を先に計算して それを先に確保します この確保が出来ない場合 確保が出来る金額までしか持ち戻しの免除が出来ません その遺留分の計算ですが相続財産ではなくみなし相続財産を基準にします つまりBは1500万円のBの遺留分の四分の一375万円まで権利がありますから これ以上の配分をできる今回のもちもどし免除は全額認められます

特別受益

本来好ましい事ではありませんが一人また数人の相続人に親からの援助が偏る場合があります ラッキーと言った所ですが 他の相続人は面白くない そこで江戸の仇は長崎でと言うように 貰った分を相続財産に持ち戻し それを相続財産 つまり見なし相続財産として そこから相続分を計算して法定相続分で分配して 出た金額から特別受益をもらってる人は その特別受益分を引くと言う方法を民法は認めています その対象となる財産の前渡しを特別受益と言います このように前渡しを貰った相続人は相続の時にその相続分を清算させられますが 全ての前渡が特別受益にはなりません 貰い得 ラッキーと言う物もあります そこで特別受益になるものはどういう物か説明しましょう まず親からの援助の学費は判例では特別受益ではありません 民法と判例の違う所です しかし特別に金のかかる教育の場合認められた事例が最近あります 公立は良くて私立は特別受益と言う事はないです あくまで特別にお金がかかった場合です しかし親の財産によっては数千万の学費を持ち戻す事を必要ないと言う判断もあり 学校は出して貰ったもの勝ちです 大学を出してもらっても遺産分割で卑屈になる必要はありません 結婚費用も例え高額でも他の相続人も出して貰っているなら特別受益にならないと言うのが裁判所の判断です 民法の規定や世間の常識とかなりかけ離れてるのがこの条文に関する裁判所の見解です なぜか 同類合い哀れむです 司法試験 特に旧司法試験はむずかしので司法関係者は親の脛をかじって来たからでしょう

特別受益の一般的対象の分類

特別受益の対象になる援助の分類です 裁判ではほとんど認められなくなった物もあります まず遺贈 これは無条件です 遺贈であれば持ち戻しされます 学費 原則大学教育は特別受益ですが判例では前回の通りの結果です 生活費用の援助 これも生活を少し援助するぐらいでは特別受益にしていません 前回説明したように司法関係者は脛かじりが多いので 自分の時に不利になる判決は残したくないのです 土地建物の無償 これも認められにくくなるでしょう だって司法関係者は大学でてからも親の所から学校通ってますし 試験受かるまで自宅警備員の人も多いです ニートの最後の社会復帰の方法の一つが司法試験合格ですから 生計の資本としての贈与 一般家庭ではない事ですが家を買ってもらったり 車はどうなるか微妙ですが車なら一般家庭でも起る問題です これは判例や実例での分類で条文には列挙されてません

遺留分

遺留分とは理念上は減殺請求の元の権利ですから 本来別説明のものです しかし実務の観点から言えば減殺請求なくしてはなんの意味もないので 遺留分がどれだけではなくどのような請求権かを中心に判例実例を入れて話をします 抽象的解釈はあまり突っ込まないと 被相続人の財産処分が相続人に否定されるわりはあいです 例えばこの割合を無視した被相続人の相続財産の分配が行われた場合 それは有効ですが 遺留分減殺請求で否定されます 形成権と言う強い権限ですが取り消し権ほど強くありません 遡及効の問題です つまり 取り消される行為の時まで効果が遡ると言う解釈はまだ完全に認められてはいません しかし無効にしてもいいような被相続人の反社会的行為ですから 遡及効は当然だと考える人が多いです

遺留分減殺の基本

これは実務のサイトですが遺留分減殺は色んな形で関わりが出ます前回法的性質を説明しましたがまだ漠然としてると思います 基本からしっかりりかいして行きましょう まず減殺請求ですが これは契約ではありませんから請求権を持っている方が一方的に出来ますから対象者と合意する必要はありません一方的に出来ます と言いますが大変むずかしい問題があります とくに相続人が多ければ多いほどむずかしくなります いきなりそこへ行くと頭がこんがらがりますから まず単純な物から理解して行きましょう 相続人は原則2人と頭にイメージしてください では基本も基本遺留分減殺請求のできる物を上げて行きます 先に特別受益を話してますので頭の中が混線するかもしれません しかし前にもどる必要はありません とりあえず特別受益の遺留分による制限は頭からはずして下さい では行きます まず遺留分減殺請求には請求権としての時効があります これはたった一年です まず相続の場合問題になるのは遺言があり その自分に指定分割<被相続人による分割>された部分が遺留分より少ないと知った時ですね この時から一年です つまり暢気に構えていられないと言う事です

遺留分減殺の特徴

遺留分は行使上の一身専属であると言われています 平たく言うと債権者による代位が出来ません これについては判例があります その理由は簡単に言うと こういう判断です 貴方 お金を貸す時親の財産まで考えてお金をかさないでしょう それにあなたの借金を返すまで債務者が相続できるかなんて不確定な要因だよね そのあなたの不確定な期待権のため 相続人の相続するかしないかと言う権限に関わるかも知れない問題を他人に委ねさせる事は法律的に無理があります 要約するとこのような意味を説明しております

遺留分減殺の対象

遺留分減殺の対象は1031条によると遺贈と贈与です 遺贈は必ずなので問題ないですが贈与は条件があります 相続開始から一年間の間の物が対象になります これにも例外がありまして 贈与をする被相続人と贈与を受ける受ぞうしゃが遺留分を侵害する事を知っていたばあい 相続開始から何年前の物でも減殺請求の対象になります

遺留分減殺の順番

遺留分減殺は不公平な部分があります 減殺されるのに順番があるのです このため同じ被相続人からの財産からなのに片方は減殺されてしまい 片方はされないと言う事になる それじゃ憲法違反じゃないか しかしこれには理由があります もともと減殺できるのは法定相続分を脱法して特定の相続人にのみ相続させようとする被相続人の野望を砕くためのものです 封建社会の時人々は家長制といい長男にほとんどの財産を渡していました その傾向が残ってまして 相続が均分になると別の方法でそれを実現しようとしました それが指定相続であり 遺贈なのです つまりこの二つは不公平な財産の分配をしようとする被相続人の野心です だから本来はこれだけですが 今度は贈与と言う形で被相続人が野心を実現する可能性もあります だから遺贈や指定相続を無効にしてもまだ遺留分確保できない場合のみ それを認めると言う考え方です 贈与の動機はさまざまですから 本来は対象にならないんです だから 順番は 同順位の指定相続 遺贈のあとに続く事になります

遺留分減殺請求 現物返済の原則と価格賠償と価格算定時期

すこし実務の話をしましょう AさんとBさんが相続人だとします 話を単純にするため被相続人はマンションの一部屋しかありませんが それをBさんに指定分割します それでAさんが遺留分減殺請求したばあい 理論上はマンションの共有になります しかしAさんとBさんが共有は嫌だとしましょう この場合価格賠償がみとめられます それでその価格の評価ですが時価になります 指定分割でもぼやぼやしてたら価格がかわります 土地の場合上がる可能性もありますが家や自動車の場合値段は下がります したがって遺留分減殺請求は一秒でも早くやりましょう

遺留分の放棄

遺留分の放棄する事ができます 遺留分を自ら放棄する相続人はまずいません 被相続人が一定の理由により他の相続人に放棄させるんです  どういう事のときかと言うと 例えば自分の会社の株しか残せる財産がないとします  その場合子供が二人のばあい 会社は共有になります しかしそれでは長男は強い社長にはなりませんそこで遺留分をもつひとりに取引をしかけるわけです 長男が生活の面倒を見る代わりに遺留分を放棄させるとかです まあ父親のエゴがいきすぎないように 相続前の遺留分の放棄は家庭裁判所の許可が必要です

遺留分放棄は他の遺留分権者の持ち分を増やさない  

じつは法律は都市伝説的に間違った解釈をする人が多いです 例えば軽は相続財産にならないとか 自動車販売でもクーリングオフが適用できるとか いずれも間違いです この遺留分を放棄したら他の遺留分権者が得をすると考えている人がいます じつは違うのです 遺留分を放棄しても他の遺留分者は増えません ではどこへ行くか それは遺留分減殺を受ける人です 例えば被相続人の遺贈のため 相続財産がゼロだとすると もし相続人がAさんBさんだとしますと二人で半分までの遺贈の価格分に減殺請求できますがもし 相続分の遺留分4分の一のAさんが遺留分を放棄してもBさんの遺留分は増えません  その分はどこかにいくかと言うと遺留分の減殺の免除額が増えます そのへんを勘違いしないで下さい

遺留分を放棄しても親の借金から逃れられない 

法律的勘違いに遺留分の放棄と相続の放棄を一緒に考えてる人がいます 遺留分放棄は相続分を放棄していません 従って負債を放棄してません 相続権は何も失っていません  遺留分の放棄と言うのは被相続人の処分権を強くする事で あくまで相手は原則被相続人なので 遺留分放棄しても被相続人が遺留分を放棄した相続人に相続財産を残せば受け取ってかまいません なぜなら遺留分は放棄しても相続させたいと言う被相続人の処分権があるからです また遺留分を放棄しても被相続人の借金は負う必要があります そこで遺留分を放棄すると親から財産はもらえない 親の借金にはおいまわされる事になります

遺留分を放棄しても遺産分割協議に参加できる

遺留分は相続の放棄ではありません そこで遺留分を放棄しても協議に参加する事は出来ますし また相続人には違いないので参加しなければ遺産分割協議が成立しません たしかに被相続人の処分権は全部認めるが 相続人同士の話あいなら きっちり貰うべき物は貰うと言うのは変な話ですが 法律上はそれでいいのです

遺留分を放棄すると代襲相続した人間も遺留分減殺請求できない

こう言う事が考えられます 祖父が死にました 財産を父とは違う相続人に遺言してます 祖父が死ぬ前父が死にました 父は生前遺留分の放棄をしています しかし私は父とは違うので遺留分を主張したいのですが可能でしょうか これは出来ません 何故なら原則代襲相続は被代襲者の権利すべてを受け継ぐため つまりこのケースですと父親の全てを受け継ぎます つまり遺留分放棄も受け継ぐためです

相続債務がある場合の遺留分の計算

今日は一番難しい問題を説明します 今までの知識をそう動員してください またわからなくてもいいです こういう特別な計算があるので 遺留分があるなら専門家に相談してみれば すこし貰えるかもときずいてくれれば 簡単にするため被相続人A その子をB Cとします 被相続人が資産100万円 負債50万円残した場合 遺言がなければ<遺言がなければ遺産分割ですが それはすこし頭から外してください あくまで計算式ですから>理論上の計算はAもBも同じで以下のように計算します <100-50>×二分の一×二分の一+25になります この基本の計算式を見てください 最初の括弧内はみなし相続財産の計算です 全ての基本です そして乗算の部分は遺留分と相続分をかけたものです そして最後に足すのが債務に相続分を掛けたものです 債務の相続分は債権者に対して 例え相続財産がゼロでも負わなければならないからです その負わなければならない金額は自分の相続分です 計算すると37万5000円が遺留分になります この理屈をまず頭に入れて下さい この後は明日にします

前記の事例で被相続人が一人の相続人に指定分割しているばあい

前回は相続債務がある場合の遺留分の計算方法をやりました この遺留分の計算は基本だけわかればいいです 自分の遺留分が計算できないと負債とかだけ責任をとる事になり けっこう損してる人がいます  では 先へ行きます 被相続人Aが相続人Bの全てを相続させると言う遺言を残した場合 もう一人の相続人の遺留分ですが判例では次のようになります <100-50>×二分の一×二分の一です つまり12万5000円です 相続債務の法定相続分は遺留分としては認めないと言うことです 理由は 被相続人の遺志が債務を相続人Bに負担させる遺志なら 債務は全部相続人Bが負うんだから それでいいでしょうと言う訳です しかし今まで読んで来た人はわかりますよね 債務は債権者の同意が無ければ処分を債権者に対抗できない そこで債権者は相続人Cに対し法定相続分25万円を請求します するとCは12万5000円もらつても25万損します この時はじめてBに対して求償してくださいと言うのが判例の考え方です 実際起こりやすい事なので覚えてたほうがいいです

遺留分減殺請求の相手が無資力の場合

無資力と言うのは現実には存在しません それでは生きていけませんから これはあくまで観念上の問題で例えば遺贈の相手が無能力者で現存利益がないとかです 未成年者等無能力者はもらったお金を遊びに使った場合 返還義務がありません この時は判例では遺留分権利者が泣いてください 本来その人が支払う金額を つぎの順番の人に押し付けてはいけませんと言う判断がされています

遺留分減殺請求の順番の指定が不可能な場合は

被相続人は様々な形で承継条件に関与する事ができます しかし いじれないものがあります  これを強硬法規と言います 何が強硬法規と言うのは基本は裁判所がきめます 強硬法規とみなされてる条文が1033条です これは遺贈と贈与の遺留分減殺請求の順番です この1033条には2項がありません と言うことで被相続人に自由がきくかどうか裁判になりました 結局高裁で確定したため判例はありませんし 通説とは言えませんが有力説でもかなり通説に近いと考えられてるのが1033条強硬法規説です ですから1033条を無視した被相続人による遺留分減殺請求の順番変更は無効であると考えて下さい

遺言による遺留分分割請求の順番の変更

民法1034条によれば原則遺贈はその遺贈額に応じて減殺請求の負担を受けなければなりません しかし被相続人のみ遺言で遺産分割請求の順番を変更する事ができます これは遺贈にのみ適用される条文です

遺留分減殺請求の順番 贈与間の順番

遺留分減殺請求について相手が受像者の場合相続からの日づけが近いほうから減殺を受けます 1033条と同じで被相続人による変更はできないと解釈されています

遺留分減殺請求の主体

遺留分減殺請求を行うには遺留分が認められなければなりません もちろんそのためには相続人でなければなりませんが相続人であれば認められるわけではありません そこで相続のパターンを示しながら どのパターンの誰まで遺留分があるか検証します まず基本パターン 妻と子です 妻と子とも遺留分があります 妻と親 妻も親も遺留分があります そして妻と兄妹 妻にのみ遺留分があります なお子 親 とか子 兄妹とかは存在しません 妻はいつもランクインですが親兄弟は代打なんです 妻は本来の相続人子 親 兄弟のおまけです と言うのは財産とは封建時代家督だったからです 他人の妻に家督を渡せるわけにので 妻には見張りをつけるのです それが子供であり 親であり 兄妹です そうしないと妻の親族 つまり外戚に家を支配されますから 民法には前近代的理屈が残ってるんです

遺贈について

相続とは別の物ですが相続に絡んでくる問題なので遺贈について勉強しましょう 遺贈とは贈与の一種で遺言によって行われるものです 贈与ではありますが相続と似ているので相続の規定が使われています また被相続人は遺贈のつもりでも指定相続と法的に扱われる場合もあるのでしっかり理解しましょう 例によって実務中心で話していきます まず遺贈の相手方は相続と違い誰でもいいです なんでもいいと言うわけではありません 犬や猫に対して遺贈するのは原則わが国では難しいでしょう まあ通常の実務ではありませんが しかし自然人である必要はなく法人に対する遺贈も可能だと解釈されています これが相続と違う所です 従って法人に相続させると遺言すると遺贈と見なされます まあ そんな人はいないでしょうが

遺贈について2

遺贈は相続と贈与の中間的性質があり どちらかと言うと相続に近いものです その理由は遺贈が物の贈与が発祥ではなく封建制度の分家を発祥とするからです つまり相続人以外に養子までいかないけど 資産の一部 またある特定の資産を継がせたいと言う事で出来た制度で物を無償で与えると言う規準で考えると理解できません また贈与の場合相続と絡むのは遺留分ぐらいですが遺贈の場合絡みが多くなります そこで贈与の法律で困る事は少ないですが遺贈の場合知らないと思わぬ落とし穴にはまります また相続人に遺贈されたばあい それを遺贈と判断するか 相続分の指定と判断するかで法律の効果が変わる事もありますので御注意ください

包括遺贈

遺贈には特定遺贈と包括遺贈があります 特定遺贈は細かい所は贈与とは違いますが 贈与の考え方が使えます  しかし包括遺贈は贈与の考え方とは別の理屈に振り回される局面が生じます 特に相続人に対しての包括遺贈は要注意で相続分の指定にすれば問題が起きないのが包括遺贈にしてしまったため問題が生じることもあります そもそも包括遺贈とは法定相続人になれない者に相続人と同じ扱いをしてやろうと言う考え方で相続の時一番もめるのが包括遺贈です この包括遺贈の相手と言うのは被相続人にとって大事な人で相続人としてカウント出来ない人が圧倒的です つまり そうあの人達です だから遺贈の形式に則り遺言にその事が書いてあるだけで騒動になります だからそう言う遺言はほとんど裁判沙汰になります と言う事で紛争が多いだけ裁判例は多いのですがこれだけ取り上げるわけにもいきませんので とにかく包括遺贈は気をつけてほしいと言うことで遺贈全般に行きたいと思います まず用語の説明から行きましょう まず同じ物をうけついでも人間関係についての法律用語は別です 相続関係がある場合受け継がせる方が被相続人で受け継ぐ方は相続人です ただこれだけでは対応出来ない場合があります それは相続人が遺贈を受けた場合です この場合相続人は被相続人を贈与<遺贈者>者と呼び自分は受遺者になります 相続人が遺贈された時の判例を調べる時 裁判所はある時は相続人と言う言葉を使い ある時は受遺者と言う言葉を使いますから 今どの財産について読んでいるか確認しないと頭が混乱します 初学が一番自分で調べられないのはその点にあります

相続と遺贈の似ている所と違う所 

相続と遺贈 とくに包括遺贈は大変に似ています 似ていますが根本が違います 例えばマッチとライターを比べて見ましょう 同じ火をつける物ですがマッチは燃料を必要としないためガス欠はありません これと同じように法律も効果は同じでも原理が違うと違う効果を呼びます それではまず相続 相続は意思を必要としません 一定の条件があると自動的法律効果が発生しますこのような物を法律用語で事件といいます 相続人の権利発生は被相続人の意思に基ずくものではなく 当然に発生するものです それに対して受遺者の権利は遺贈者の意思に基づき発生するため 遺贈は相対的なものです 例えば権利性の高い相続権はその権利自体が移りますが 受遺権は基本うつせません いい例が代襲で 相続と違いだいしゅうは出来ません 遺贈の効力は相続人が死んだ時 相続人の意志どおりに発生しないと権利が発生しないのです 権利がなければ継がせる事が出来ないのです そこで相続人が受遺者の場合 被相続人より先に相続人が死んだ場合相続分は代襲できますが 遺贈の分は代襲できません このように違いを理解しないと思わぬ落とし穴がありますのでお気をつけ下さい

相続放棄と遺贈の放棄

前回説明しましたが相続とは事件です それに対して遺贈は法律行為です 法律行為と言うのは法律事実の発生に何らかの意思が存在している必要があります そこで相続には有効無効がありませんが遺贈には有効無効があります しかし遺贈と相続は効力発生時期が同じため 期限について一緒にしないと不都合が生じます そこで相続の似た包括遺贈は相続の放棄と同じ期限を課しています 遺贈を知った時から3カ月です そして裁判所へのしんじゅつが必要です それに対して特定遺贈は遺贈が効力を生じたあとなら 放棄できますし 裁判所へのしんじゅつはいりません これは特定遺贈の場合通常消極資産を手に入れる事はないからです つまり迷惑をかける人がいないので自由を認めるのです

条件付き遺贈

条件とは法律の効力を一定の事実により発生させたり 一定の事実により解除させたりする事です 前者を停止条件と呼び後者を解除条件と言います 相続は事件ですから意思の必要がありません そこで相続には条件がつけられません それに対し意思を前提とする遺贈には条件がつけられます このような遺贈を条件付遺贈と言います

包括遺贈に条件はつけられるか

前に説明しました遺贈と相続は根本が違うと それはマッチとライターのような物だと さあここでその問題が表に出てまいります まず包括遺贈に条件がつけられれるかと言う問題です 条件つき遺贈が特定遺贈だけと決められていないため 包括遺贈にも条件はつけられるはずです<しかし民法990条から相続で出来ないことは包括遺贈では出来ないと判断する人もいる その場合条件がつけられない> さてこれからが問題です 説明したように相続と遺贈はマッチとライターです つまり別物です 相続には条件はつけられません しかし相続の規定を準用する包括遺贈には条件がつけられますから相続の準用では対応出来ない問題が起こります 停止条件付包括遺贈の放棄の問題です ご存知のように包括遺贈の放棄は相続の放棄を準用しますが相続には条件付相続がないため包括遺贈に準用すべき条文がありません マッチとライターの違いです そこで停止条件付包括遺贈の放棄の場合の始期は遺贈を知った時ではなく 条件が成就した時になると考えられます つまり後倒しになります これについて公式見解はありませんが 停止条件付き包括遺贈のこうりょくが条件成就により発生しますので それ以前に放棄するのは不可能だからです 権利が無いのに放棄する事になるからです

負担付き遺贈

何度も話したとうり相続と遺贈は原則が違います 相続は事件であり 意思の介在はありません それに対し遺贈は被相続人の意思を尊重します ゆえに遺贈に条件をつける事が出来ました では受遺者に負担を課す事ができるでしょうか これが負担付遺贈の問題です まず負担付き遺贈とは何か 条件の事は頭からはずして下さい  なぜなら負担付遺贈の負担とは条件とは別の物だからです 例えば一番単純な停止条件を考えてみます 停止条件とは条件を満たしたら効力が生じると言う事です 遺贈の場合条件を満たしたら受遺者になると解釈されています しかし負担付遺贈の場合負担を負わなくても遺贈の効力は発生すると考えます 理屈が複雑なので一度に覚えると混乱するので本日はここまでです

負担付き遺贈の特徴

負担つき遺贈には特徴があります まず第一負担は遺贈価格を超えないとまで負担を負うと言う事です もし遺贈価格を越えたなら負担を遺贈させる事になるからです では負担と遺贈が差し引きゼロなら遺贈ではなくて交換ですが一応遺贈と認めれます 前回言ったように負担付遺贈は遺贈の効力は発生するため 負担だけが残ります 遺贈者が詐欺的に負担を受遺者に押し付けないようにこの決まりがあります
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